今回は、【病院介護施設】LED照明の工事費用をご紹介します。
この記事では、「LED照明に変えるべきタイミング」「LED照明に変えるメリットとデメリット(注意点)」「LED化にかかる費用と工期」について解説していきます。
【病院介護施設】LED照明の工事費用とは?
LED照明に変えるべきタイミングとは?
最近、照明器具を既存の蛍光灯や電球・水銀灯などから、省エネで長寿命のLED照明に交換するケースが非常に増えてきました。
LEDの電球が世に出回り始めた10年前は「電球1個5,000円」という時代もかありましたが、今では普及が進み、非常に買い求めやすくなりました。
さて、照明器具をLEDに変えるタイミングですが、結論から言うと「今すぐに」交換すべきです。介護施設のような安全性を特に重視したい施設では、既存照明の交換は喫緊の課題といえます。
国内主要メーカーでは既に電球や蛍光灯、水銀灯のランプ製造を終了しています。世に出回っているランプは無くなり次第、入手不可となるのです。
その大きな理由は、蛍光灯や電球、水銀灯の球の内部に封入されている「水銀」の製造や輸出入を禁止する「水銀に関する水俣条約」が2021年に発行されたことです。
地震大国ニッポン、いつ起こるかわからない大地震への備えとして、いち早く既存の照明器具をLEDのような安全性の高い照明器具に交換しましょう。
蛍光灯や電球、水銀灯が床に落下しガラス片が飛散するだけではなく、ランプの中に封入されている粉末状の水銀が空間中に飛散します。
LED照明化のメリットとデメリット(注意点)とは?
既存の蛍光灯や水銀灯等の照明器具をLEDに交換することにより、大きなメリットがもたらされます。同時に、既存照明器具をLEDに交換する際に気を付けなければならない点もあります。
【メリット】
消費電力量が大幅に減少する為、介護施設のランニングコスト削減に効果覿面です。直管蛍光灯タイプなら電気消費量は約1/3、電球タイプなら実に1/10になります。
また、蛍光灯や白熱球と違い高熱を発しない為、冷房コスト削減にも効果があります。更に、ランプの寿命は蛍光灯の5倍、白熱球の10倍以上ですので、ランプ交換にかかるコストも抑えられます。
蛍光灯や白熱球と違い、LEDはほとんど紫外線を発しません。紫外線による皮膚や眼球等への悪影響を気にしなくて済みます。
また、紫外線をほとんど発することがないという事は、害虫を寄せ付けないという効果もあります・すべての虫に対してではありませんが、大部分の害虫に対して効果があります。
【気つけたいポイント】
蛍光灯や白熱球と違い、LEDは光の直進性が強く、光がストレートに照射されます。蛍光灯や白熱球のように広がりのある丸い光に慣れていると、初めは違和感を感じるかもしれません。
既存の器具をそのまま使いランプだけを交換するタイプ(特に蛍光灯)の製品は、消費電力削減のメリットがありません。既存の蛍光灯器具には「安定器」と呼ばれる回路器具が内蔵されていて、この安定器が電力を消費する元凶です。
また、長期間使っていると安定器が劣化し、点灯しなくなるばかりか火災発生のリスクも高まります。
ランプだけをLEDにしてもあまりメリットが出ませんので、LED専用の器具にするか、既存器具の配線工事を行い安定器を通さない回路に変更することをお薦めします。
LED照明化にかかる費用と工期は?
「既存の照明器具をLED化するには、どのくらいのコストと時間がかかる?」
LED導入を検討されている方にとっては、一番知りたいポイントだと思います。メーカーや交換する台数、その他条件により費用と工期が大幅に異なるため一概には言えませんが、私が先日行った既存照明器具のLED工事費用をご紹介します。
【費用と工期】
- 広さ約100坪・40形蛍光灯本数150本(蛍光灯器具75台)・既存器具配線改造
- 外した蛍光灯はお客様が処分・LED40形直管蛍光灯タイプ(国内メーカー製)
- 6,000円×150(本)=900,000円(税別・工事費込)
- 3人作業で約8時間程度
この実例は、既存の照明器具から蛍光灯を外し、傘の内部の配線を改造(バイパス工事)、そのまま利用したケースです。器具の劣化は進んでいましたが、幸い蛍光灯の差込ソケットがそのまま使えました。
ソケットの劣化により交換が必要な場合はさらに費用が掛かります。また、器具改造ではなく、器具ごと交換する場合はさらに費用が掛かりますので、必ず複数社相見積もりを取り、現地調査をしてもらいましょう。
【病院介護施設】LED工事に寄せられた口コミ
以下、介護施設や障害者施設で勤務されていらっしゃる皆さんにアンケートをお願いしました。
【質問項目】
- ご勤務先の施設とポジションは?
- 施設で取り換えたLEDの本数は?
- LED化にかかった費用は?
- 施設照明をLEDに取り換えた「メリット」「デメリット」は?
- 通所介護事業所の施設長
- 20本
- 60万円
- 1番のメリットは電気代の節約になっています。この他にも大きなメリットがあり、それは熱くならないという事です。普通の照明だと熱が産生されてしまい、とても熱くなり、エアコンを過剰に付けなくてはならなかったですが、LEDに変更してから、無駄な熱さはなくなりました。
1番のデメリット初期費用が高い事が挙げられます。他に大きなデメリットは見当たりません。
- デイサービスの管理者
- 100本
- 350万円
-
電球交換の必要がこれでなくなりました。節電効果もあり、明るさも自然体になりました。室内の印象もかなり変わりました。
デメリットはやはり高かったことですね。デイサービスを併設した施設でしたから、やるなら全てが対象になりましたし。交換は必要ないですが、トラブル時は必ず業者を呼ばないとダメらしいですね。簡単ではなさそうです。
- グループホームの生活支援員
- 5本
- 10万円
-
メリットしては応対速度が速いため、蛍光灯のようにインバータなど周辺機器の力を借りなくても、通電することで瞬時に点灯ができること。 例えば、工場や倉庫、体育館などで多く使われている水銀灯をLEDに交換することで、それまでよりも快適にお使いいただけます。また、休憩時間などの小まめな消灯を心掛ければ、省エネにもつながります。
デメリットとしては.価格が高い LED電球は他の電球に比べて高価で、電球が重い LED電球は、電源回路が入っているため、同じサイズの白熱電球や蛍光ランプと比較してかなり重量があり、光に指向性がある 他の電球の光はすべての方向に等しく放射されますが、LED電球の光は指向性があるのでその点少し残念であります。
- 介護施設の生活支援員副主任
- 60本
- 200万円
- 以前は照明と照明の間隔が広く、薄暗い施設内でした。利用者さんの把握がしづらく、また保護者の方が来られるとイメージも悪かったです。LEDにしてからは施設内が明るくなり、イメージもがらりと変わりました。低コストで施設内のイメージを変えれるのはメリットです。
デメリットとしては導入費用がやや高いことです。ランニングコストを考えるとそれも解消されると思います。
- 特養ホーム事務員
- 50本
- 160万円
- 将来的な運用コストを見直し、LED照明への切り替えを行った。デメリットとして初期投資、作業費用が高額だったことが痛手だったと思う。まずは利用者様の部屋から交換を開始し、順次施設全体の照明の切り替えたいと思っている。メリットはやはり長期的な視点でのコストカット、照明寿命の延長から労力の削減を目的に交換に切り替えた。
- 施設のセンター長
- 200本
- 300万円
- 先ずは電気代の節約につながっていると思います。実際前年同期比で電気代が下がっているとは言い切れません。しかし、何年か経てば投資額は回収できると考えています。
また、電球切れの交換も必要なくなりました。今までは2年に一度は交換していましたがその必要がなくなりました。これにかける費用、手間、人件費も節約できるようになりました。これと言ってデメリットはございません。
【病院介護施設】LED照明の工事費用のまとめ
介護施設の既存の蛍光灯や水銀灯等器具をLED化することにより、施設のランニングコスト、特に電気代が大幅に削減され、大地震などの災害発生時の安全性を大幅に高めることが可能です。
地球環境保護・入所者さんの安全も考え、早めのご検討をお薦めします。