「障がい」と一括りに言えど、発症理由や時期は人によってさまざまです。障がいには生まれた時から器質的な障がいを持っている先天性のものと、何らかの理由で機能を失う後天性のものがあります。どちらも障がいの定義に影響することはありませんが、個々が抱える悩みや苦しみに対してケアが必要となる場合があります。
今回は、中途失聴・難聴から聴覚障がいを抱える方について東京都内で活動する東京都中途失聴・難聴者協会をご紹介します。
目次
東京都中途失聴・難聴者協会
<東京都中途失聴・難聴者協会ホームページより引用>
東京都中途失聴・難聴者協会は1986年に設立された非営利団体です。身体障害の中でも特に多いと言われる聴覚障害は、聞こえづらさを抱える潜在的なものを含めると東京都内に100万人いると言われています。聴こえづらさはコミュニケーションの取りづらさを生み、次第にコミュニケーションを取ること自体を避けるようになってしまいます。
東京都中途失聴・難聴者協会は聞こえに障害のある当事者、またその支援者が集まり発足した団体です。聴覚障害に関する福祉の増進や、聞こえに対する相談・支援事業を行なっています。
東京都中途失聴・難聴者協会の活動内容
東京都中途失聴・難聴者協会は聞こえにくさから聴覚障害に至るまで、さまざまな段階で支援を行う体制を取っています。聞こえづらさから感じるコミュニケーション障害や、マスメディアの字幕をつける運動など多様な活動を行なっています。
聞こえづらさを抱える方のためのパンフレット
東京都中途失聴・難聴者協会では中途難聴を感じ始めた方を対象としたパンフレット「聞こえに困ったら~聞こえにくさを感じ始めているあなたへ~」を作成し、職場への対応や防災方法の確認など、まずとりかかるべき対応について啓発しています。
周囲のコミュニケーション方法や難聴者の聞こえ方、体験談を取り入れた冊子「聞こえに困ったら②」も販売中。聞こえの自己チェック方法や都内の各種相談窓口の掲載など、どちらの冊子もまず手に取っておきたい一冊です。
聴覚障害に対する各種制度の説明や紹介
聞こえづらさを抱える方に向けて、国や県、自治体で各種制度が整備されています。しかしながら聞こえづらさが情報収集を阻害する場合もあり、せっかくの支援制度を利用することなく日々を過ごしている障害者の方もいるのではないでしょうか。
東京都中途失聴・難聴者協会では聴覚障害に対する支援制度の説明の他、補聴器や補聴補助システムの紹介なども行なっています。
盛んな文化活動やサークル活動
東京都中途失聴・難聴者協会が主催・共催・協力する催しは、定期開催されている人気の催しです。東京都保健福祉局が主催する手話講習会や、月1回から2回の頻度で開催される各種サークル活動では聞こえづらさを越えた交流の輪が広がっています。その他協会活動をPRしていく広報委員会や、難聴者に向けたコミュニケーションを考えるコミュニケーション委員会など、委員会活動も盛んです。
サークル活動では手話、読話、生け花、絵手紙などの内容があり、それぞれ魅力的な活動を行なっています。
聞こえづらさに悩んだら中難協を
今まで聞こえていた聴力がある日突然、または徐々に低下していくことはショックを禁じ得ないことです。しかしながら聴覚障害を支える制度やインフォーマルサービスも整備されています。東京都中途失聴・難聴者協会はさまざまな活動を通して、聞こえづらさを抱える人たちに向けて支援する団体です。当事者も参加している団体だからこそ、支援者に寄り添ったきめ細やかなフォローができると言えるでしょう。
今回は東京都内で聴覚障害を持つ方への支援を行う東京都中途失聴・難聴者協会をご紹介しました。
大手の人材会社に勤務する、入社6年目の女性営業マン。社内では『医療介護業界の情報通』として鳴らし、業界の主要人物とのパイプも持つ。ネットワークの拡大を目指して、フクロウ介護のライターとして今後さらなる活躍が期待されている。趣味は囲碁と将棋、最近は麻雀の勉強にも励む。