アサヒシューズ株式会社の「アサヒメディカルウォーク」をご紹介

歩くことはすべての行動につながる基本的な身体動作です。安定した歩行は転倒リスクを軽減し、こけることへの不安が緩和することで心理面でも活動的になれるといえるでしょう。

今回は文字通り「歩くことを支える」靴について、長年靴を作り続けているアサヒシューズ株式会社が手掛けるアサヒメディカルウォークについてご紹介します。

アサヒシューズ株式会社

アサヒシューズ株式会社ホームページより引用>

アサヒシューズ株式会社は1892年に創業し、130年を越える歴史ある会社です。文明開化と呼ばれる明治初期の西洋文化流入によって、靴の文化も日本に広まることとなりました。2000年に始まった介護保険と同時に開発した「快歩主義」は、軽量かつ脱ぎ履きしやすい高齢者向けの靴として広く普及しました。

アサヒメディカルウォーク

アサヒメディカルウォークは、快歩主義と並ぶアサヒシューズ株式会社の筆頭ブランドです。2006年の発売開始以降順調に売り上げを伸ばし、2014年には販売累計100万足を突破しました。本社のある福岡県では発売同年の2006年に福岡産業デザイン賞、2016年には福岡デザインアワードで優秀賞を受賞しています。

膝のトラブルを予防するSHM®機能

アサヒシューズ株式会社ホームページより引用>

アサヒメディカルウォークの特徴は、世界初の機能である「SHM®機能」です。SHM機能は二足歩行の人間が元々持っている、着地時に膝下の骨が外側へ回旋する膝への負担を軽減する機能です。年齢を重ねるごとに本来のSHM機能は低下していき、膝への負担が高まります。アサヒメディカルウォークは人間が本来持つSHM機能をサポートし、自然なアシストで膝への負担を軽減します。

かかと部分にスクリュー型のゴムを設置。接地時に体重がかかることによりスクリュー部がたわみ、つま先を自然に外側へ回旋。これによってSHM機能が促進され、膝への負担が軽くなる仕組みとなっています。

産・学・医の共同開発

アサヒシューズ株式会社ホームページより引用>

アサヒメディカルウォークはアサヒシューズ株式会社だけでなく、専門的な医療知識を基に実証実験を経て商品化されています。開発には日本整形外科専門医であり、日本靴医学会会員でもある小野直洋医師がアサヒシューズメディカルアドバイザーとして監修指導。教育機関である九州大学にも協力を仰ぎ、開発チームを発足し約1年という開発期間を経て商品化されました。

開発のきっかけは社員の膝痛

アサヒシューズ株式会社ホームページより引用>

 

開発の発端となったのは、商品開発部門に携わる社員が変形性ひざ関節症と診断されたことがきっかけでした。一時は内視鏡による手術も勧められるほどでしたが、運動療法によってランニングができるまでに回復。膝痛によって歩行が困難となることを知り、靴メーカーとして膝痛を軽減する商品の開発が行われることとなります。

紆余曲折を経て、世界初の「膝をアシストする靴」として商品化されたアサヒメディカルウォーク。SHM機能の特徴であるスクリュー部は、社名のアサヒにちなみオレンジ色に着色されています。

まとめ

私たちが慣れ親しんでいる靴は足底をカバーするイメージが強く、姿勢制御や歩行方法の改善のために靴底に加工を施している靴が多く商品化されています。アサヒメディカルウォークは、長年ひとの足を研究し、寄り添ってきたアサヒシューズ株式会社だからこそ気づけた発想と熱意によって完成された唯一の商品ではないでしょうか。

社名を冠したアサヒメディカルウォークによって膝痛が軽減し、健康寿命が延びることでいきいきとした社会を目指すアサヒシューズ株式会社。今後もさまざまな問題を、靴づくりからみつめます。

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