人工呼吸器

【人工呼吸器の価格とおすすめメーカー】120万円~、最大シェアはフィリップス

人工呼吸器の価格相場について

本体価格 120万円~800万円(税抜き)
ランニングコスト 約15,000円/月・交換

人工呼吸器の初期費用の価格相場は、税抜で120〜800万円程度です。

 

呼吸器のランニングコスト

回路・酸素マスクの交換ごとにランニングコストが発生します。月に一度程度交換が必要で、大まかには回路が1万円/月、酸素マスクが5,000円/月程度です。

上記は使い捨てのディスポタイプを利用した場合のランニングコストですが、リユースタイプを使えばさらにコストを抑える事ができます。

 

 

【医療機器】人工呼吸器のおすすめメーカー

人工呼吸器の主要メーカー

  • フクダ電子株式会社・フクダライフテック(サーボ製)
  • 日本光電工業株式会社(ハミルトン製)
  • アコマ医科工業株式会社
  • アイ・エム・アイ株式会社
  • 株式会社東機貿
  • 日本メドトロニック株式会社
  • 株式会社フィリップス・ジャパン

 

診療科ごとの呼吸器メーカーのおすすめ

導入する診療科ごとにおすすめのメーカーが異なります。

カテゴリ メーカー 性能
急性期大規模病院 メドトロニック ハイエンド
急性期中規模病院(大きなオペ無し) 日本光電 急性期の大規模病院や救急以外では幅広く利用されている
救急 フクダ電子 ローエンド
在宅・療養病院院内 フィリップス ローエンド

 

レンタルを希望する場合はアイ・エム・アイが選択肢になります。

 

呼吸器のメーカーごとのシェア

大まかな国内シェア率は以下のとおりです。

メーカー名 シェア率
フィリップス 40%
メドトロニック 25%
日本光電 15%
フクダ電子 15%
その他 5%

 

 

【医療機器】人工呼吸器(挿管型)を扱う各メーカーの特徴

株式会社フィリップス・ジャパン

とにかく小型で搬送に適した呼吸器を販売しているメーカーです。最軽量でバッテリの持ちが良いのが特徴で、在宅・療養病院院内向けのローエンド製品で大きなシェアを有しています。国内のみならず、海外でも一定の評価を獲得しています。

【弱み】
在宅・療養病院院内で重宝されていますが、急性期での実績ではメドトロニックや日本光電に劣ります。

 

フクダ電子株式会社

人工呼吸器【引用】フクダ電子公式サイト

 

呼吸器国内シェアNo.1のメーカーで、クリニック向けの価格相場は250万円~300万円ほどで、日本光電より100万円ほど安価です。

スウェーデンの会社で製造されたサーボという呼吸器を仕入れて販売しています。呼吸器=サーボベンチレータと言っても過言ではないぐらい呼吸器市場に浸透しています。持ち運びにも便利なので救急の現場で重宝されています。

とにかく価格が安くて機能性が良く、そして使い勝手が良いのが特徴です。古くから市場で親しまれてきたため、今なお根強いファンが多数居ます。

安かろう悪かろうの印象でフクダ電子を敬遠する方もおられますが、呼吸器に関しては選択肢に含めて頂ける水準に有ると思います。

【弱み】
救急の現場で重宝されていますが、急性期での実績はメドトロニックや日本光電に、在宅・療養での実績はフィリップスに劣ります。

 

日本光電工業株式会社

呼吸器国内シェアNo.2のメーカーです。スイスのハミルトン社から呼吸器を仕入れて販売しています。代表的なASVという機能や独自の表示機能を有し、医師・看護師の目線で役に立つ機能を多く有しています。生体情報モニターとの連携に強い点も特徴で、急性期だが大規模なオペが少なく、メドトロニック社のハイエンド機までは必要無いという病院で導入されています。

価格はやや高めですが、機能性の高さから安価なフクダ電子のサーボの比較材料として適しています。

1台300~350万円と、フクダ電子より100万円ほど高価です。

 

【弱み】
広く医療現場で重宝されているメーカーですが「急性期のハイエンドと言えばメドトロニック」のように特別重宝されている診療科が無いとも言えるメーカーです。

 

 

アコマ医科工業株式会社

麻酔器と呼吸器を併せ持つメーカーです。価格が安い上、機能性の高さがあり、勢力を伸ばしているメーカーです。

 

アイ・エム・アイ株式会社

搬送用呼吸器において一定の評価を獲得しています。軽量化されながら、バッテリの持ちも良く、救急サイトなどでも使用されています。

購入だけでなく「レンタル」という選択肢を提供している面白いメーカーです。

 

 

株式会社東機貿

ドレーゲル社やコヴィディエン社の呼吸器を仕入れて販売しているメーカーです。

価格は高めですが、老舗呼吸器メーカーの機種を販売しており、高い信頼性と販売実績を有しています。

 

日本メドトロニック株式会社

コヴィディエン社を買収して、ベネットという呼吸器を販売しています。精密なコントロールが可能で、大病院での急性期で使用されるハイエンド製品となるとこの製品一択と言えます。

基本性能の高さのみならず、消耗品期限の長さなど独自の差別化機能を有しています。

【弱み】
急性期の大規模病院では重宝されていますが、一方で在宅や療養での実績は少ないです。

 

 

 

人工呼吸器の選び方のポイント

人工呼吸器の選び方のポイントは以下の通りです。

持ち運びの便利さ

呼吸器は病棟や救急サイトといった多サイトで使用されるケースが多いことから持ち運びを重視するユーザーが多くいます。よりコンパクトに、軽量化された呼吸器が選ばれやすい傾向にあるのです。

ランニングコスト

呼吸器はとにかく消耗品が多い機器であることから、ランニングコストがいかに安いかが重要視されます。具体的には呼吸回路や呼吸フィルタ、さらにはメンテナンス費用などといった維持費を安く抑えられるかが、経営を安定化させる上で非常に重要となってくるのです。

使い勝手の良さ

呼吸器は専門性の高い医療機器であることから、特に看護師の方から苦手意識を持たれる傾向があります。苦手意識を持たれる理由は「操作が難しそう」と思われがちだからです。

使い勝手の良さは選定する上で非常に重要視されるのです。特に夜間帯は医師がいないケースがあり、その際にも安心して簡単に使いこなせる呼吸器であるかがポイントとなります。

バイタル測定が可能か

呼吸器を使用する上で、バイタル測定ができるかも選定ポイントの1つです。特にETCO2やSPO2は患者の呼吸状態を把握する上で極めて重要なパラメータとなっています。そのパラメータが測定できるか否かは、呼吸器で呼吸管理を行う上で重要なのです。

メンテナンスがしやすいか

臨床工学技士がいる病院では、臨床工学技士が必ず呼吸器をメンテナンスします。その際に簡便にメンテナンスできるかは、かなり重要視されます。海外製のメーカーですと、英語表記が多く、操作が煩雑になるケースがあるため好まれません。

一方で分かりやすい日本語表記になっている呼吸器はメンテナンスがしやすいため、特に臨床工学技士に好まれるのです。

 

 

病院・クリニック向け医療機器の導入カテゴリーの記事