NPO法人 リハビリテーション医療推進機構CRASEEDをご紹介

医療、介護双方に共通するキーワードのひとつに「リハビリテーション」があります。リハビリテーションには段階によって様々なアプローチがあり、主に医療分野で提供される急性期や回復期リハビリテーションの他、介護分野で提供されるなは普段の暮らしの中でできることを増やす生活リハビリです。

今回は、リハビリテーションの中でも医療分野におけるリハビリテーションについて広く啓蒙するCRASEEDを紹介します。

CRASEEDとは

CRASEEDホームページより引用>

CRASEEDとは、大阪府豊中市にある関西リハビリテーション病院内に設立された「NPO法人リハビリテーション医療推進機構」の名称です。代表は兵庫医科大学リハビリテーションセンター長の道免和久主任教授。

CRASEEDはNPO法人として、リハビリ従事者と市民の議論、セミナーやリハビリ関連情報の発信を通してリハビリ医療の普及を図っています。

CRASEEDの目的

介護保険制度が施行され、リハビリの名称は広く用いられるようになりました。一般的な認識が進む中で、本来の意味と離れたマッサージやレクリエーション等も、リハビリテーションとして説明されることもあります。

リハビリテーションの質を維持向上させるため、CRASEEDが重要と考えるのはでは医療リハビリテーション。そのためにも医療界におけるリハビリテーションの正しい認識が必要であり、CRASEEDは普及啓発活動を進めています。

医療リハビリテーションの現状

医療におけるリハビリテーションの現状はまだ発展途上であり、専門医の育成や研究が進んでいない状況です。厚生労働省による調査(令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況)による医師数は339,623名に対し、日本リハビリテーション医学会によるリハビリテーション科専門医は2,735名と、全体の1%にも満たない数字となっています。

専門家を招いた実践的なセミナーの開催

CRASEEDでは、医療職のスキルアップやブラッシュアップを目的としたセミナーを開催しています。道免教授が伝授する脳卒中リハビリテーションのアプローチ方法をはじめ、脳卒中や呼吸器リハビリテーションや装具の評価方法、リハビリ評価として広く用いられている評価尺度FIMについてなど様々な角度から捉えた医療リハビリテーションを学ぶことができます。

セミナーは主に兵庫医科大学内で行われていますが、感染症予防対策のため2022年度開催分各種セミナーはすべてオンラインでの開催です。CRASEEDは一般社団法人日本作業療法士協会においてSIG施設に認定されており、セミナーは同協会における生涯教育制度基礎ポイント対象となっています。

リハビリに特化した広報誌「CRASEED NEWS」

おおよそ4カ月ごとに刊行されるCRASEEDの広報誌「CRASEED NEWS」は、設立翌年の2006年に第1回が刊行され、2022年で記念すべき第50回が刊行予定です。CRASEEDのセミナー開催状況や関連する学会や専門医の声、コラムでの症例検討など、欲しい情報がぎゅっと詰まった内容となっています。

CRASEEDが開催するセミナーで配布される他、ホームページ上でバックナンバーの一部を閲覧することができます。

まとめ

今回は医療リハビリテーションの質の向上を目的としたNPO法人「CRASEED」を紹介しました。地域包括ケアシステムが推進される中、医療報酬改定により入院期間はより短く、しかしながらより効果的なリハビリテーションが求められています。

CRASEEDが設立当初から訴えてきた提言に、遅れながらも時代が追従してきました。今後訪れる超高齢社会に向け、CRASEEDの活動がさらに注目されることでしょう。

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