【福祉用具業者のケアマネ営業】イエスマンが生き残ります

福祉用具業者のケアマネ営業とは

以前、介護施設は買い物がヘタな理由とはで登場頂いた施設長さんから、またも介護業界特有の問題点をレクチャーしてもらいました。

それは「福祉用具販売店の営業マンは、施設管理者にノーが言えない」問題です。施設管理者の意見や考えにノーを言ったが最後、「もう、ウチには来なくて良いよ」と出入り禁止になるそうです。

まるでドラマの中の世界ですが、介護ソフトメーカーの担当者が「ウチの販売業者が出禁になったから、他メーカーに乗り換えられました・・」と嘆いていた事を思い出しました。

では、なぜ福祉用具販売店の営業マンはノーと言えないのか、その理由を探ってみました。

 

福祉用具営業マンの思惑とは

①レンタル商材で稼ぎたい

まず、福祉用具販売店の営業マンがアテにするのがレンタル商材です。車いすやリフトなど、販売店からレンタルされている施設も少なくないのではないでしょうか。

「毎月の支払いが安くて、メンテナンスも弊社でやるので安心ですよ!」と売り込みをかけるのが定石ですが、レンタルは営業マンにとっての生命線です。

売上のほぼ100%が利益になり、しかも安定して収益が見込めます。「購入してもらわなくても、長くレンタルしてもらえれば御の字」というところです。

話は換わりますが、レンタルとリースの違いを理解していない素人営業マンと会った事があります。彼にとってはレンタルもリースも同じで、別に説明できなくても問題ないのです。笑

②消耗品の売上はバカにできない

次に、毎月の消耗品の売上もバカにできません。おむつが代表的ですが、大規模な施設では毎月数百万円ものおむつを発注されているそうです。

「こんにちは~」と適当に顔を出しておけば、何もしなくても毎月数百万円の注文が入るのです。大きな注文が見込めなくても、安定して数字が上がるのであれば、営業マンはケアマネや施設管理者に頭が上がりません。

攻めよりも守り重視の営業スタイルこそ、福祉用具販売点の共通点と言えます。

③意見を言う長所がない

レンタルと消耗品。この2つの注文を継続的に取れれば、福祉用具販売店の営業マンとしては十分です。それだけで月間の予算達成に届くからです。

このような環境において最大の注意点は「出禁」です。「貴施設のケア改善には、●●の施策が有効ではないでしょうか?」と下手に施設管理者に意見や提言をすることは皆無です。

本当に心ある勉強熱心な営業マンならいざ知らず、ほとんどの営業マンは「嫌われない御用聞き」でいることを目指しています。

 

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福祉用具販売店は敵か?味方か?

さて、「出禁にならないことが目標」な福祉用具販売店の営業マンは、施設にとっては敵でしょうか?味方でしょうか?

冒頭の施設長さんは「優秀な営業マンを味方にすれば施設は充実するけど、つまらない営業マンを贔屓にするると施設はダメになる」と言い切っておられました。

正直、優秀な営業マンがゴロゴロ転がっている程、介護業界に人材が充実しているとは思えません。むしろ、甘い汁を吸おうとするカブトムシが多く見られます。

「毎日、顔を出してくれる」「喜んで値下げしてくれる」営業マンではなく、「施設に有益な情報を提供してくれる」「耳の痛いことも臆せず言ってくれる」営業マンこそ、今後の施設経営の強い味方になってくれるでしょう。

 

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