【介護施設職員が抱える問題】急いでやろう病の正体とは

【介護施設職員が抱える問題】急いでやろう病の正体とは

2021年1月16日

介護施設職員が抱える問題とは

以前、福祉用具選びで失敗しないコツとは【徹底した事前準備を】という記事を書いたところ、私のお客様である施設長から「内容は半分正解だけど、まだまだ現実が見えていない」とバッサリ言われてしまいました。

そこで、「せっかく導入した福祉用具がお蔵入りになってしまう、本当の理由」を教えてもらいました。

 

介護施設に蔓延する『急いでやろう病』

先ほどの施設長さんは、不思議がる私におっしゃいます。

「例えば、利用者さんのケア向上とスタッフの腰痛対策を考えて、施設に自動式ベッドを導入するでしょう。本来は全員がハッピーになる筈なのに、実際はベッドは使われずにスタッフの腰痛は悪化するの。」

そう言われても、私はさっぱり要領を得ません。利用者さんとスタッフの負担を軽減してくれる福祉用具があるにも関わらず、どうして使われずに放置されるのでしょうか。

「こんな結末になるのは、スタッフが抱える『急いでやろう病』が原因だから。この病が消えない限りは、どれだけ便利な福祉用具でもお金の無駄遣いになるよ」と言われました。

ここでおっしゃる『急いでやろう病』とは、「他のスタッフより1秒でも早く作業を終えることが、自身のプライドであり優越感を得る病」を指します。

 

【急いでやろう病にかかったスタッフの長所】

  • 他のスタッフよりも早く作業を終えることが使命だと考えている
  • 利用者さんの移動・移乗をマンパワーでやろうとする
  • 「最近、腰が痛い」が口癖になっている

 

サラリーマンであれば営業成績、経営者であれば年商など比較する要素がある様に、介護施設に働くスタッフには作業時間の短縮が生き残りをかけた競争になるのです。

 

「時間がない」のは誰の責任?

この『急いでやろう病』にかかってしまうと、待っているのは「ヒヤリハットの増加」と「自身の腰痛悪化」です。

『急いでやろう病』のスタッフは、便利な福祉用具よりも自身のパワーを信仰します。

「自動式ベッドの上下動なんて待ってられないわ!自力で持ちあげた方が早いし、後輩スタッフの●●さんに遅れるなんて許されない!」となってしまうのです。

では、これで満たされるものは何かと考えると、スタッフの自己満足なわけです。もしかすると、施設管理者が時間にシビアな方で「●時までに▲を、●時までに■を・・」と指示を出しているのかもしれません。

しかし、マンパワーに頼りきった介護サービスでは、スタッフの勤続疲労が蓄積されるのも早くなります。「腰が痛くて、数ヶ月休ませてください」と申し出あってからでは遅すぎます。

では、スタッフが『急いでやろう病』にかかるのを予防するためには、どんな知恵が必要なのでしょうか。そこにこそ、施設管理者の手腕が問われています。

まず、スタッフに負担がかかりすぎる時間配分で指示を出しているのであれば、見直しの余地があります。一方、スタッフ同士の時短合戦が起きている施設では、他の方法で彼らの自尊心を満たす必要があります。

前述の施設長は「言いたいことを言える環境づくりが大切。話を聞いてくれる人が居ると思えるだけで気持ちが楽になるから、組織作りとしてコミュニケーションの活性化は大切」「スタッフの気持ちが利用者さんのケアと自身の腰痛問題に向かない限り、どんな便利な福祉用具も無駄」と言い切ります。

 

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『急いでやろう病』を克服、その先に待ち受けるもの

もしかすると、皆さんの施設でも同じような事象が起きているかもしれません。たしかに福祉用具は便利なものですが、スタッフの気持ちがライバル(?)との争いに向いている間は、どんな買い物にも意味はありません。

一方で、『急いでやろう病』を克服した施設では、福祉用具の機能を十分に使いこなすことができます。「少し時間はかかっても、福祉用具の力を借りて利用者さんに安心してもらおう」の発想になります。

このようにスタッフのマインドセットもきちんと整えた上で、初めて満足な買い物ができるのではないでしょうか。福祉用具の使い方は業者に聞けばわかりますが、スタッフの内情を業者は知りません。そこは施設管理者の仕事です。

「ウチのスタッフは『急いでやろう病』にかかっていないか?」をこの機会に確かめて頂ければと思います。

 

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