一般社団法人日本フットケア・足病医学会の「フットケア指導士」をご紹介

長時間の直立二足歩行ができる動物は、人間だけと言われています。四足歩行から進化した骨組みは年齢を重ねるごとに股や膝関節に負担をかけ、様々な症状をもたらします。関節の他にも、足は第二の心臓と呼ばれるほど循環機能に大きな役割を果たしている部位です。

今回は人間を支える足について、医学的視点からリスク軽減とサポート方法の研究を行う一般社団法人日本フットケア・足病医学会が認定するフットケア指導士をご紹介します。

一般社団法人日本フットケア・足病医学会

日本フットケア・足病医学会ホームページより引用>

一般社団法人日本フットケア・足病医学会は、2019年に日本フットケア学会と日本下肢救済・足病学会が合併し発足しました。西洋医学で医学・歯学と同列に位置する足病医学を、東洋に位置する日本で主導し牽引していく目的を持っている他、足に関する多様な疾患や症状への理解や啓発、支援していく専門職の育成といった目的があります。治療後に必要となるリハビリテーションにおいても注力しており、直接的な介入手法の他、他専門職協会との連携も図っています。

フットケア指導士

日本フットケア・足病医学会ホームページより引用>

フットケア指導士とは、日本フットケア・足病医学会が主催する認定制度のひとつです。疾患や症状を持つ方を支援する福祉・医療職者を対象に、下肢障害の予防・ケア・フォローアップまで幅広い知識と技術を持った方がフットケア指導士として認定されています。

2022年5月時点で日本全国のフットケア指導士は1,500名を越えています。首都圏・大阪を中心に、全国47都道府県に登録者が在籍しています。

フットケア指導士になるには

フットケア指導士の受験資格として、医師や看護師などの国家資格を持ち3年以上の実務経験があること、フットケアの実務経験があること等が挙げられます。年2回行われる認定セミナーを受講した後、マークシート形式の認定試験に合格することで認定となります。フットケア指導士の資格は更新制で、必要単位を取得することが必要です。

フットケア指導士の活躍するフィールド

足に大きく関わる疾患が糖尿病や腎疾患です。いずれも下肢への血流を阻害し、しびれや痛み等の症状を引き起こすばかりか、最悪の場合下肢切断が必要となる場合もあります。フットケア指導士が活躍できるフィールドとして、治療や予防のために多職種がフットケアに関わる病院が挙げられます。その他に入所者のフットケアに取り組む介護施設、下肢装具を作製する義肢装具事業所や歩行に関する製品を取り扱う福祉用具事業所等が活躍できるフィールドといえるでしょう。

学会認定師

日本フットケア・足病医学会が認定するもうひとつの資格が学会認定師です。元は日本下肢救済・足病学会で制定されていた学会認定師制度が引き継がれています。学会認定師はフットケア指導士より更に医療的な知識と技術が必要となり、解剖・血流・疾患理解など専門知識が求められます。フットケア指導士の受験資格が専門資格取得後3年であることに対し、学会認定師は4年であることや、フットケアに携わった医療記録の提出が求められること等からもその専門性の高さが窺える資格です。

現在、フットケア・足病医学会では新たな学会認定制度を構築しております。そのため、今後フットケア指導士・学会認定師の資格取得・更新の方法については変更となります。予めご了承ください。

全身を支える足を、フットケア指導士で支える

いかがでしたでしょうか。普段何気なく行なっている立ち座りや歩行は、多様な機能が複雑かつ相互に関係している足が健康であるからこそ問題なく行えています。裏を返せば、些細な原因でバランスが崩れることによって様々な症状が起こり、生活に支障を来すことも充分に起こり得るのです。

フットケア指導士は足から病気を捉え、その人自身の生活を捉えることで広く支援をしていく専門資格と言えるでしょう。

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