【施設向け介護浴槽の種類】入浴方法5パターン

今回は「【施設向け介護浴槽の種類】入浴方法5パターン」をご紹介します。

介護浴槽の導入に使える補助金や助成金の情報も豊富にございますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

 

施設向け介護浴槽の種類とは?

①寝位入浴(ストレッチャー浴槽)

【引用】株式会社メトス公式サイト

専用のストレッチャーで介護浴槽に連結し、利用者さんが寝たままの姿勢で入浴するタイプ。身体を起こすことが困難な方や座ったまま身体を洗うことが困難な方に向いています。

寝たままの状態で髪の毛や身体を洗ったり、湯船に使ったりできる反面、利用者さんが寝たままの姿を見られることに恥ずかしい思いをしストレスに感じることもあります。

 

②座位入浴(チェアー浴槽)

【引用】酒井医療株式会社公式サイト

専用のシャワーチェアや車椅子で浴槽内に入り、利用者さんが座ったままの姿勢で入浴するタイプ。座ることは可能だが、立ち上がる動作に介助が必要な方に向いています。

リフトが上下に可動するリフト浴とは違い、安定した姿勢で移動から入浴ができるため、利用者さんも安心感があります。

 

 

③シャワー入浴(シャワー浴槽)

【引用】株式会社アマノ公式サイト

 

言葉の通りシャワーで入浴するタイプ。座ることは可能だが、立ち上がっての動作に介助が必要な方に向いています。

浴槽内のシャワーチェアはリクライニング可能で、全身にくまなくシャワーが当たりますので、利用者さんは高い温浴効果が期待できます。

 

④リフト入浴(リフト浴槽)

【引用】株式会社フツラ公式サイト 

個別浴槽にリフトを備え、利用者さんがリフトの座部に腰掛けリフトを昇降して入浴するタイプ。ひとりで立ち上がることは可能だが、歩行に介助が必要な方に向いています。

リフトは上下左右に可動しますので座位入浴より不安定さはありますが、利用者さんを安易に移動できるため介護スタッフの身体への負担も軽減できます。

 

 

⑤個別入浴(個別浴槽)

【引用】オージー技研株式会社公式サイト

住み慣れた自宅の浴槽に近い形で、利用者さんが座った姿勢で入浴するタイプ。ひとりで歩行が可能だが、入浴動作に不安がある方に向いています。

家庭浴槽に近いので、利用者さんの残存機能の活用や介護スタッフの負担軽減につながります。また在宅復帰した際も自身で入浴ができるよう練習も兼ねられます。

 

介護浴槽を選ぶ際のポイント

①想定する利用者さんが使えそうか?

「導入後、思っていたより利用者さんが入浴できなかった」ということがあります。導入前に、対象となる利用者さんの身体状況の想定を行いましょう!

②入浴介護に取れるスペースがどのくらいあるのか?

浴室内の広さによっては、介護浴槽自体が入り切らない、介助するスペースが狭く窮屈に感じるということがあります。

導入前に、浴槽の大きさと介護スタッフが安全に介助ができるスペースか想定を行いましょう!(その際は入浴介助にかかる入浴工程の一連の流れをすべて想定しましょう)

③解決したい課題を整理しましょう!

上記ポイント以外に、設備条件や予算など検討するべき要素はさまざま。全ての条件をクリアすることが困難な場合も考えられます。

そのような時は「介護浴槽を導入することで解決したい課題が何か」を整理し、優先順位をつけることが大切です。

また施設管理者だけで決めず、実際に入浴介助を行う介護スタッフとも入念に協議をし、より良い介護浴槽を導入しましょう!

 

 

 

【介護施設のIT化が進まない理由】業者依存は危険です

介護施設のIT化を阻むものとは

以前、介護施設は買い物がヘタな理由とは【施設管理者は必見】という記事を書いてから気が付いたのですが、介護施設のIT化はどうなっているのでしょうか。

テレビやネットのニュースでは「介護士と入居者の需要と供給が釣り合わず、今後は介護士の確保が急務です」と言われています。

将来的にも人手不足が変わらないのであれば、ITやロボットの力を頼らざるを得ないと考えても当然です。2020年からは、国や自治体でもITや介護ロボット導入の助成金が積極的に出されています。

 

介護施設で対象となるIT機器とは

まず、介護施設で対象となるIT機器をご紹介します。(参照:「国内の高齢者向け施設の IT 導入の一考察」『商経学叢 第66巻第1号 2019年7月』田口 由美子)

IT機器の詳しい情報を知りたい方には、介護ロボットポータルサイトのサイトをご覧ください。

 

①介護報酬の請求事務処理ツール

ここは介護ソフトメーカーの得意分野です。大手メーカーとしては、ほのぼの(NDソフトウェア株式会社)やワイズマン(株式会社ワイズマン)、絆(株式会社内田洋行)などがあります。

介護ソフトは請求業務のみならず、ケアプランや勤務表まで作成できるのが強みです。メーカーにより得手不得手があるため、導入前の比較検討を強くおすすめします。

 

②利用者の介護記録ツール

こちらも介護ソフトメーカーが強い分野です。最近では、事務所ではなく施設のあらゆる場所から記録が付けられる様に、タブレットやスマホから入力ができる商品もあります。

また、ソフトにAI(人工知能)を搭載して、スタッフの一挙手一投足まで把握できる商品も登場しました。どこまでの記録が必要か、ぜひ皆さんでお考えください。

 

③移動支援機器

こちらは利用者さんの移動を支援します。バッテリーを搭載して移動をアシストする歩行器から、モーターを搭載して転倒を防止するロボティックウェアまで、できる限り利用者さん1人での移動を後押しします。

 

④移乗支援機器

こちらは利用者さんの移乗を支援します。以前は介護リフトが有名でしたが、最近ではスタッフが身体に装着するマッスルスーツやパワースーツの開発も進んでおり、介護施設にスーパーマンがやって来る日も近そうです。

 

⑤排泄支援機器

こちらは利用者さんの排泄を支援します。排泄介助はスタッフと利用者さんの双方に負担が大きい作業ですので、大きな期待が寄せられている分野です。

排泄予測のロボットとしては、利用者さんのおむつに軽量のセンサーを搭載して、膀胱の膨らみでトイレに行くタイミングを計る商品などがあります。

 

⑥入浴支援機器

こちらは利用者さんの入浴を支援します。介護浴槽メーカーなどが取り組んでおり、リフトやシートを浴槽に付属させて、利用者さんの移乗をサポートします。

介護浴槽の買換えを導入しておられる施設であれば、セットで購入を検討されても良いかもしれません。

 

⑦見守り支援機器

こちらは利用者さんの見守りを支援します。離床センサーや顔認証センサーが主流ですが、最近はベッドにセンサーを付属して、利用者さんの脈拍・心拍・呼吸を測定する眠りスキャンなるものも登場しています。

センサーがあれば見回りや巡回の頻度を減らすことが可能ですが、センサーの活用にはWiFi環境の構築が必須であり、予算の確保が悩みどころです。

 

⑧コミュニケーションロボット

こちらは利用者さんのコミュニケーションを支援します。ソフトバンクのPepper(ペッパー)が有名ですが、大手電機メーカーを中心に開発が進められています。

「同じ作業を飽きずに繰り返す」ことがロボットの強みですので、これからも様々な分野で活躍されることが期待されています。

 

【お見積り】施設向け福祉用具のご相談

 

便利なのに導入が進まない理由とは

さて、ここまでご紹介したとおり、IT機器や介護ロボットがあれば現場の作業が楽チンになるのは明らかです。人材不足に悩まなくても良くなるかもしれません。

ところが、未だに介護施設への導入が一向に進まないのは、どういった理由からでしょうか。お客様の施設長にヒアリングした結果をお伝えします。

 

①予算が確保できない

「機器を導入するための予算が確保できない・・」金銭的問題が1番大きな阻害要因としてあるそうです。

しかし、記事の冒頭でご紹介したとおり、令和に入ってからは助成金情報が豊富にあり、以前と比べると導入へのハードルは低くなっているはずです。

私の素人的考えにも顔色ひとつ変えず、施設長は続けます。

「あのね、どれだけの施設長が助成金情報を知っているのか?知っていても使い道を考えているのか?情報を持ってくる業者は、現場の課題を考えて機器を提案しているのか?」

グゥの音も出ません。お金がない以前に、必要な情報がないのです。

 

②ITに詳しいスタッフがいない

「ITに詳しいスタッフがいない・・」こちらも大きな阻害要因としてあるそうです。施設管理者は多少わかるけど、現場責任者やスタッフは皆目わからない、こんな施設もたくさんあるのではないでしょうか。

そもそも、介護業界で働く方は機械関係に苦手意識がある方が多く、「IT」「ロボット」という単語を聞くだけで抵抗感を抱いてしまいがちです。

導入に向けてスタッフの抵抗に遭い、導入してもITに詳しいスタッフがおらず倉庫に放置。この流れが見えているからこそ、施設管理者も真剣に検討しない。

見事なまでの負の連鎖が見え隠れします。

 

③介護現場に詳しいIT業者が少ない

「介護現場に詳しいIT業者が少ない・・」この問題の半分は、IT機器を販売する業者側にあります。残りの半分は、介護施設の施設管理者です。

さて、介護施設にIT機器を販売する業者は、リ●ーや大●商会が有名です。普段、これらの業者が何を販売しているかと言えば、コピー機や複合機などの印刷商材です。

以前、とある施設で介護ソフトのプレゼン風景を拝見しましたが、説明するのは介護ソフトメーカーの営業マン。お隣の三●電機の営業マンは偉そうに座っているだけでした。

彼らの仕事は、施設にメーカーを紹介して商談をまとめることです。コピー機の選び方や複合機の入れ替えなどは超得意ですが、介護ソフトの操作方法は知りません。

つまり、彼らに「介護施設の課題を踏まえて提案して欲しい!」というのは土台無理な相談です。「それはメーカーの仕事です」と言われておしまいです。

「お前ら、ちょっとは勉強してこいよ!」と言いたくなる気持ちもお察ししますが、それも無理です。より大きな顧客フォローに時間を割かれ、満足に対応できないのが現状です。

 

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業者依存は破滅への架け橋です

このように考えてみると、介護施設の業者依存が浮き彫りになります。IT機器を導入する大きなハードルである、①助成金の情報提供②IT機器導入後のフォローがリ●ーや大●商会ならできます。

「私どもにできないことは、クスリと武器の販売です」と知り合いになった営業マンが言っていました。それ以外のことは何でもできるという自慢ですね。

この口車に乗って取り込まれたが最後、自分たちでは何もできなくなります。本来は必要ないものまで契約までさせられて、高額なリース料だけ払い続ける運命が待っています。

このような状況に陥りたくなければ、名前だけで業者を選ぶことは絶対におすすめしません。

「業者の担当者が介護業界の内情に詳しいか」「せめて知る努力をしているか」をきちんと見極めて、信頼できれば話を聞いても良いでしょう。

 

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【介護施設職員が抱える問題】急いでやろう病の正体とは

介護施設職員が抱える問題とは

以前、福祉用具選びで失敗しないコツとは【徹底した事前準備を】という記事を書いたところ、私のお客様である施設長から「内容は半分正解だけど、まだまだ現実が見えていない」とバッサリ言われてしまいました。

そこで、「せっかく導入した福祉用具がお蔵入りになってしまう、本当の理由」を教えてもらいました。

 

介護施設に蔓延する『急いでやろう病』

先ほどの施設長さんは、不思議がる私におっしゃいます。

「例えば、利用者さんのケア向上とスタッフの腰痛対策を考えて、施設に自動式ベッドを導入するでしょう。本来は全員がハッピーになる筈なのに、実際はベッドは使われずにスタッフの腰痛は悪化するの。」

そう言われても、私はさっぱり要領を得ません。利用者さんとスタッフの負担を軽減してくれる福祉用具があるにも関わらず、どうして使われずに放置されるのでしょうか。

「こんな結末になるのは、スタッフが抱える『急いでやろう病』が原因だから。この病が消えない限りは、どれだけ便利な福祉用具でもお金の無駄遣いになるよ」と言われました。

ここでおっしゃる『急いでやろう病』とは、「他のスタッフより1秒でも早く作業を終えることが、自身のプライドであり優越感を得る病」を指します。

 

【急いでやろう病にかかったスタッフの長所】

  • 他のスタッフよりも早く作業を終えることが使命だと考えている
  • 利用者さんの移動・移乗をマンパワーでやろうとする
  • 「最近、腰が痛い」が口癖になっている

 

サラリーマンであれば営業成績、経営者であれば年商など比較する要素がある様に、介護施設に働くスタッフには作業時間の短縮が生き残りをかけた競争になるのです。

 

「時間がない」のは誰の責任?

この『急いでやろう病』にかかってしまうと、待っているのは「ヒヤリハットの増加」と「自身の腰痛悪化」です。

『急いでやろう病』のスタッフは、便利な福祉用具よりも自身のパワーを信仰します。

「自動式ベッドの上下動なんて待ってられないわ!自力で持ちあげた方が早いし、後輩スタッフの●●さんに遅れるなんて許されない!」となってしまうのです。

では、これで満たされるものは何かと考えると、スタッフの自己満足なわけです。もしかすると、施設管理者が時間にシビアな方で「●時までに▲を、●時までに■を・・」と指示を出しているのかもしれません。

しかし、マンパワーに頼りきった介護サービスでは、スタッフの勤続疲労が蓄積されるのも早くなります。「腰が痛くて、数ヶ月休ませてください」と申し出あってからでは遅すぎます。

では、スタッフが『急いでやろう病』にかかるのを予防するためには、どんな知恵が必要なのでしょうか。そこにこそ、施設管理者の手腕が問われています。

まず、スタッフに負担がかかりすぎる時間配分で指示を出しているのであれば、見直しの余地があります。一方、スタッフ同士の時短合戦が起きている施設では、他の方法で彼らの自尊心を満たす必要があります。

前述の施設長は「言いたいことを言える環境づくりが大切。話を聞いてくれる人が居ると思えるだけで気持ちが楽になるから、組織作りとしてコミュニケーションの活性化は大切」「スタッフの気持ちが利用者さんのケアと自身の腰痛問題に向かない限り、どんな便利な福祉用具も無駄」と言い切ります。

 

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『急いでやろう病』を克服、その先に待ち受けるもの

もしかすると、皆さんの施設でも同じような事象が起きているかもしれません。たしかに福祉用具は便利なものですが、スタッフの気持ちがライバル(?)との争いに向いている間は、どんな買い物にも意味はありません。

一方で、『急いでやろう病』を克服した施設では、福祉用具の機能を十分に使いこなすことができます。「少し時間はかかっても、福祉用具の力を借りて利用者さんに安心してもらおう」の発想になります。

このようにスタッフのマインドセットもきちんと整えた上で、初めて満足な買い物ができるのではないでしょうか。福祉用具の使い方は業者に聞けばわかりますが、スタッフの内情を業者は知りません。そこは施設管理者の仕事です。

「ウチのスタッフは『急いでやろう病』にかかっていないか?」をこの機会に確かめて頂ければと思います。

 

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【介護施設のデイサービス送迎管理】必勝法3パターンとは?

介護施設のデイサービス送迎管理のコツとは

先日、とあるデイサービス施設を訪問した際に学んだ事例を共有します。その施設長からの依頼は「デイサービスのドライバーの事で頭を抱えているので、相談に乗って欲しい」という話でした。

初めて受ける相談でもあったので、まずは施設長の話に耳を傾けることにしました。

 

【デイサービスの施設長の悩み】

  • ドライバーがシルバー世代ばかりで耳が遠くて話が通じない
  • 施設までの道を覚えられずに、迷子になってご家族に電話する
  • ご家族の話を理解せずに、事務所にも報告しない
  • ブレーキをかけるタイミングが遅く、利用者に不安がられる

 

ここだけを切り取ると、シルバー世代にドライバーを託す問題が浮かび上がりますが、シルバーの方は利用者と年齢が近くて話が合いやすいなどの長所もがあるのも事実です。

それでも施設管理者として、ドライバーの行動が不安になる気持ちもわかりますので、送迎管理に役立つ知恵を共有します。

 

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①施設スタッフに送迎させる

安心度★★★★★/難易度★★★☆☆

すぐに思いつく解決策は、施設スタッフに送迎させることです。スタッフであれば、利用者の事情や施設の動きも把握できており、ご家族とのコミュニケーションに不安はありません。

では、なぜ多くのデイサービスがシルバーの方にドライバーを委託するかと言えば、スタッフを送迎に回せるほど施設に余裕がないためです。できるだけ少ないコストで最大限の効果をあげるならば、なおさらです。

 

②大手運送会社の送迎サービス

安心度★★★★☆/難易度★★★★★

次にご紹介するのは、大手運送会社の送迎サービスです。有名なところでは、クロネコヤマトが運転代行から車両管理までを一元化で行っています。

利点としては、運転のプロに利用者を任せられるのはもちろん、ご家族とのやり取りも安心してお願いできるところが強みです。

ただし、このサービスには非常にコストがかかります。私が知る限り、業界でもトップクラスのブランドがある事業者が利用されていますが「送迎サービスは便利だけど、とても高い・・」と周囲に漏らしておられます。

コストに糸目をつけず、送迎サービスを利用している事が宣伝になるとお考えの方にはおすすめのサービスと言えます。

 

③GPS付きのインカムで送迎管理

安心度★★★★☆/難易度★☆☆☆☆

最後にご紹介するのは、GPS付きのインカムをドライバーに携帯させて送迎管理をする方法です。ご紹介した3つの中で最もシンプルかつコストも安くなります。

このしくみを利用すると、会話内容と動態管理(現在位置の把握)が一挙に解決されます。

まず、インカムを携帯したドライバーがご自宅に到着寸前、マイクスイッチをONにして「●●さんのお宅に到着しました」と事務所へ報告、玄関先でご家族と会話します。

ご家族との会話内容は事務所のインカムで聞けますので、ドライバーは話をした内容を忘れることができ、事務所はご家族の様子を把握できます。

次に、事務所では送迎車がどの道を走っているかをパソコンやスマホ、タブレットで確認します。万が一、ドライバーが道に迷ったとしても、事務所から道案内が可能です。ドライバーが携帯電話を使用する必要もありません。

そして、送迎車が事務所に戻るタイミングが事前にわかるので、事務所前が混雑する前にインカムで指示が出せます。「戻るのは5分待ってください」「次は●●さんをお願いします」など、ドライバーに心の準備をする余裕も生まれます。

このようにインカムを上手に活用することで、スタッフが送迎するよりも運送会社の送迎サービスを利用するよりも、コストを削減しながらの送迎管理が実現できます。

 

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【介護施設の福祉用具選び】失敗しないコツとは

福祉用具選びの失敗例とは

施設に必要な福祉用具を購入されたものの、様々な理由からお蔵入りになってしまった物もあるかと思います。そこで、施設管理者の方に「福祉用具選びの失敗例」をアンケートで聞いてみました。

 

【福祉用具選びの失敗例】

私自身が購入しましたが使い方が難しいという事で従業員がまったく使い慣れてくれません。確かに難しくはありますが慣れればとても使いやすい商品です。人に聞くなどの配慮ができればもっと良いです。福祉用具は難しく作られていると思います。(施設長/1年以上5年未満)

現場の役職者の意見で購入したものが、現場の職員からは不評だった。 介護施設に営業に来る業者は限られた業者が多く、価格の比較ができず高く購入していた。(施設長/1年以上5年未満)

 

いかがでしょうか、どこか身に覚えのある事例ではないでしょうか。では、どうすればこのような結果にならずに済んだのかを考えてみます。

 

欲しい機能をすべて洗い出す

まずは、福祉用具に欲しい機能をきちんと洗い出すことが大切です。「何となく介護浴槽を入れ替えたい」「便利な介護リフトが欲しい」など、曖昧な理由では(ほぼ90%の確率で)後悔する結果となります。

私がおすすめしているのは「なぜなぜ分析」と呼ばれているテクニックです。これはトヨタ自動車が生産ラインで発生する問題を解決するために用いる分析手法です。

「なぜなぜ分析」のネーミングセンスの是非はともかく、試しに一緒にやってみましょう。最近、介護施設でトレンドになっているインカムをテーマに考えます。

 

【なぜなぜ分析】

[質問①]なぜインカムを導入するのか?
[回答①]人手不足で現場が回らないから。

[質問②]回答①になるのは、なぜですか?
[回答②]せっかく採用しても、すぐに辞められるから。

[質問③]回答②になるのは、なぜですか?
[回答③]新人とコミュニケーションの時間が取れないから。

 

以上の考察を通して、インカムを導入する目的は「新人とのコミュニケーションする時間を増やして、辞めさせない環境を作ることで、人手不足を解決するため」と打ち出すことができました。

このように問題の原因を「なぜ?なぜ?」と深堀りすることで、福祉用具が必要な理由を浮かび上がらせることが可能になります。

この部分を施設管理者と現場スタッフできちんと共有できれば、「●●万円も出して購入した福祉用具が、今や倉庫でお蔵入り・・」という悲しい事態は起こらないでしょう。

 

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施設管理者と現場スタッフで問題を共有

次に、施設管理者と現場スタッフで現状の問題を共有する必要があります。この部分が共有されていないと、お互いに「アイツは話のわからないやつだ」と嫌悪感ばかりが残ってしまいます。

以前、私が特養の施設長(Aさん)から聞いた話では、「現場スタッフが欲しいからと買った介護ソフトなのに、すぐに使わなくなってしまった。2度と言うことを聞いてやるまい!」とお怒りでした。

施設長のお気持ちもわからなくはないですが、スタッフの意欲を汲むことも施設運営には大切な要素です。ここでは、また別の施設長(Bさん)が実践されている事例をご紹介します。

その方は、以下に記載したアンケートを定期的に全スタッフに配布(無記名)して、現場の問題を把握することに努めておられます。

 

【働く環境の改善アンケート】

皆さんが働く環境をさらに良いものとするため、それぞれが抱えているであろう問題を洗いざらい書き出してください。

  • 施設として問題と思われることは何ですか?
  • 現場として問題と思われることは何ですか?
  • 利用者として問題と思われることは何ですか?

次に、どんな環境であれば皆さんにより良く働くことができるか、できるだけ具体的に書き出してください。

  • どんな施設であってもらいたいか?
  • どんな現場であってもらいたいか?
  • どんな利用者であってもらいたいか?

 

以上のアンケート結果を参考に、施設管理者と現場責任者とで共有しておられるそうです。もちろん、すべての意見を聞くことはできませんが、退職問題で事前の対応が楽になるとおっしゃっておられました。

また、現場に意見を発信させることで「自分たちが欲しい福祉用具があるなら、きちんと施設管理者に納得させなさい」と明確なスタンスを打ち出すことができました。

こう言われた現場はやる気になり、欲しい機能を満たす福祉用具を自ら調べるようになり、別の事業所へ体験に出かけたりと、「実際の使用感や導入後の流れまで考える癖がついた」とB施設長は喜んでおられました。

ここまで施設管理者と現場が一体になって準備が進めば、残された課題は「どの業者から買うか」だけと言えます。

 

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業者選び=結婚相手選び

さて、「福祉用具が必要な理由と欲しい機能」「現場の意欲と計画性」が揃ったら、後は「どの業者から買うか」を決める必要があります。もしかしたら、この部分が介護施設が抱える最大の問題(情報収集力)かもしれません。

(私の印象では)施設管理者の方は内部事情には詳しい一方で、メーカー販売店などの外部情報を集める力が弱いと感じます。情報を持ってくる相手が限定されてしまうと、洗脳されていることにも気が付きません。

 

【メーカーや販売店選びの失敗例】

ベッドをメーカーの営業マンから勧められて購入したものの、リモコンの反応が悪く動かすたびに時間がかかる。手間取っている間の無駄な時間が、スタッフと利用者の負担になっている。スタッフからも苦情が入っているため、買い替えも検討している。(施設長/1年未満)

歩行器と車椅子が古くなったので全て入れ替えるために、職員が付きあいのあった業者に依頼をしました。しかし正直最悪です。料金の割引も融通はきかないし、納品も遅れたり、応対の態度も馴れ馴れしかったり、電話をしてもなかなか繋がらなかったりで。今後その業者とは付き合いは絶対にしません。(施設長/1年以上5年未満)

 

メーカーや販売店に”騙されて”後悔している施設長の怒りが見えます。その気持ちはわからなくはないですが、十分に情報を集めずに業者を決定してしまった施設長にも責任の一端があるのではないでしょうか。

つまり、「あの業者はダメだから別の業者にしよう」を繰り返すだけでは、また同じ結果になる可能性が高いです。業者とは往々にしてそういう物だと考える方が良いかもしれません。

では、業者選びに失敗しないコツをお伝えします。業者を結婚相手と読み替えると、親近感が湧いて考えやすいでしょう。

 

【メーカーや販売店選びのコツ】

  • 施設側の事情や背景を積極的に知ろうとしているか?
  • おすすめする福祉用具の短所もきちんと話しているか?
  • 導入後のアフターフォローはどうなっているか?

 

できれば、「他の事業所を見学させて欲しい」旨を伝えて、快く引き受けてくれる担当者であれば信頼できると考えて良いでしょう。

福祉用具は高い買い物ですので、「安くて良いものを導入したい」とお考えになるのは当然ですが、それでは業者に足元を掬われてしまいます。これが安物買いの銭失いの根源なのです。

 

【価格重視で買い物した失敗例】

ネットショッピングでの購入の方が安いが、アフターフォローが必要なため高い金額で業者から買わなくてはいけなかった。機械浴槽を入れ替えたら、頻繁に故障がおこり現場からブーイングがひどかった 。見積りを依頼してもなかなか出て来ないことや、アフターフォローが悪い業者が多い。(施設長/1年未満)

経営難だったので、インターネットで調べて価格が一番低いものを購入したのですが、いざ届いてみると思っていたような作りではなく、機能性がとても低いベットが届いてしまいました。もう少し、慎重に検討すればよかったなと思いました。(施設長/1年未満)

 

ここから一歩考えを深めて、「少し高くても、しっかりフォローしてくれる業者を選ぼう」となる方が、コストパフォーマンスとして賢い買い物と言えるでしょう。

繰り返しになりますが、業者選びとは結婚相手選びです。つまらない営業トークに惑わされず、ご自身が信頼できると思える業者と添い遂げられることをお祈りします。

 

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